私は中国に行く前、一人の人物を調べた。
その人は岡山県吉備中央町出身の岡崎嘉平太である。彼は日中友好を周恩来と供に実質的実現をさせた人であ
る。彼の言葉に「信は縦糸、愛は横糸」とある。これは、中国人も日本人もなく同じ地球人であるということを暗示し、
目標にしなければならないといっている。
中国の近代化は驚いた。日本より30年以上は進んでいるだろう。しかし、驚きと供に悲しみもでてきた。それはあ
まりにも近代化が急激であり、そこから経済格差が都心と、郊外とで大きく、貧しい郊外では、人がたかってくる。お
金は確かにあれば便利、無ければ不便である。が、ここまで人の心を変え、支配してしまうものかと知り胸が痛んだ
。日本の風土をみると、日本人には中流意識が多いからその心配はないが、実に金は恐しいと知った。そこには、
生死の必死さがあり、他からみればわずらわしいと見えるが、このような人たち自身には何も悪気はないだろう。
社会風潮がそういう人たちを作り出したのである。社会のあり方を学ぶことができ、大きな発見であった。
私は中国を目で見、心で観てきた。
やはりそこから観てとれたのは、前に戻るが、岡崎嘉平太の言葉であるだろう
。
近年の日中関係は良好とは言えない。世界が真の国際化を目指すのであれば、何人、何人という観念を捨て一種
の地球人として異文化を認め合い、異文化を共有し合い、互いを尊重し、敬わなければならない。互いを信じ、愛し
合って初めて国際化となり、周恩来が目指そうとしていた世界平和となることができるのです。信の縦糸と愛の縦糸
を織りつなぎ蚕からできるシルクよりももっと頑丈で決して敗れることのない美しい人と人との間柄をつくる機織り
作業をしていくべきであろう。